こんにちは、桐生(きりゅう)です。
家を買う際に、
必ず考えなければならないものに、
住宅ローンがありますよね。
でも、
住宅ローンって難しくてよく分からない
そう感じていませんか?
それは当たり前です!
なぜなら、
銀行の担当者や不動産屋以外は
普段の生活で関わることはありませんから。
家を買う時になって急に、
「住宅ローンをどうします?」
と言われても分からないのが当然です。
それでも、
知らなかったから
分からなかったから
では通じないのが住宅ローンです。
借りる前に最低限の知識を身につける必要があります!
それでは住宅ローンの基礎から見ていきましょう。
●住宅ローンはどこで借りれる?
そもそもの話、
住宅ローンってどこから借りれるのか知っていますか?
銀行で借りられるというのは、
皆さん知っていると思いますが、
銀行によって特徴が大きく変わります。
- いわゆるメガバンクと呼ばれる大手銀行
- 地域に根ざした都市銀行や地方銀行
- 地場のみでしか利用できない信用金庫
があります。
他にも
ノンバンク(住宅支援機構など)
農協
など探すと色々と借りられる場所はあります。
●住宅ローンは年収の5倍までって本当?
よく
「住宅ローンは年収の5倍に抑えるべき」
といいますが、これは本当でしょうか?
基本的にはその通りです。
ただ現実問題として、
昨今のサラリーマンの給料が上がらない経済状況や、
建築資材・人件費の高騰を考えると、
必ずしもこの通りにするというは難しくなってきています。
間違いではないですが、
かなり理想的な状態という事になります。
実際には、
金融機関も、属性によりますが、7~8倍程度までは貸してくれます。
注意しなければいけないのは、
銀行が貸してくれる額=返せる額では無い!
ということです。
●サラリーマンで住宅ローンの限度額はどれ位?
一般的に住居費は、
月収の25~30%に抑える
というのが安全な指標となっています。
年収でないのは、
ボーナスは変動する可能性が高いので、
計算から外しておいた方がより安全であるという判断です。
月の給与が30万円の場合、
7.5~9万円程度が返済額となります。
仮に毎月9万円の返済で、
元利均等返済、35年で1.3%固定金利で借りると、
おおよそ3,000万円の借り入れが可能です。
少ないと思われましたか?
安全に生活を回すのであれば、
これくらい慎重になっても良いのです。
ただし、これはあくまでも一例です。
これ以上借り入れを増やしても直ちに破産するわけではありません。
将来的に増収が見込めたり、
夫婦で収入がある場合など、
実際には各家庭での事情が違うので、
必ずしも同じ結果になりません。
●自営業だと住宅ローンはいくらまで借りれる?
サラリーマンの場合は上記のような計算が出来るのですが、
難しいのは自営業の方々です。
自営業ですと、
年商=年収ではないので簡単に計算しにくいのです。
事業の利益を使う方法もありますが、
それもお金がいくら残るという事とは意味が違います。
実際の売上から経費を差し引くし、
利益の中には未回収の売上もあるから、
手元に残るお金はもっと少ないでしょ。
という考え方です。
一番確実なのは、
ちょっと難しいですが、
キャッシュ・フロー計算書を使う方法です。
これなら、
事業で毎期どれだけお金が増えたか減ったかが一目瞭然です。
更に、
開業してから数年間は、
どれだけ利益を出していたり、
頭金が用意出来ていても、
審査そのものが厳しいものになります。
それは、
事業というのは開業して5年以内に80%が廃業する
という現実があるからです。
お金を貸す側の心理としては、
損をしないためにより安全性の高い人に貸したいものです。
審査が通っても、
ほぼ間違いないなく、
自分が思っているよりも借りられる金額が少ない
そう感じると思います。
●住宅ローンの諸費用の内訳を知りたい!
住宅ローンを借りる際には諸費用が必要になります。
では、
一般的に内訳はどういったもので、
おおよその金額はいくら位くらいなのでしょうか。
諸費用の総額の一般的な相場は、
物件価格の5~10%と言われていますが、
我が家が不動産仲介業者より提示されたのは下記の通りです。
- 登記費用 450,000円
- 表示登記費用 80,000円
- 収入印紙 30,000円
- ローン保証料 900,000円
- ローン事務手数料 30,000円
- 火災保険料 200,000円
- 固定資産税等 200,000円
物件価格4,380万円に対して、計189万円でした。
約4%ですね。
一般的な相場よりも低く収まったのには、
物件の仲介手数料が不要だったからです。
仮に物件の仲介手数料が物件価格の3%だった場合、
131万円ですので、
合計320万円となり一般的な相場と一致します。
注意しないといけないのは、
この諸費用の中には、
引越し費用や新居でテレビアンテナや備品購入代が入っていない事です。
実際に家を買い、
新居に引っ越しをする時にには、
この他にも数万~数十万円のお金が必要になります。
●住宅ローンのフルローンは諸費用も借りれるのでお得?
通常、頭金と同様に諸費用も、
現金で用意する必要があります。
しかし、
今の時代は諸費用分を含め、
全てを住宅ローンで賄うことも可能なのです。
これをフルローンと言います。
手元に現金が少なかったり、
なるべく多く残しておきたい人には便利な方法ですよね。
しかし、
当然いい話には落とし穴もあります。
フルローンは非常に不利なのです。
フルローンを組むという事は、
それだけ借入金額が多くなることを意味しています。
金利も優遇金利をもらいにくくなるので、
月々の返済額は多くなります。
また、
住宅ローンの他に諸費用専用のローンというものがあり、
ローンが2本になる可能性もあります。
一般的に諸費用専用のローンは、
住宅ローンに比べると返済期間が短く金利が高いです。
家を買ったは良いけど、
毎月のローンの返済がキツくて。。。。
というお話をよく耳にしますが、
借りる前によくよく考えないとローン破産まっしぐらですよ!
●住宅ローンで優遇金利を得るのに頭金はどれだけ必要?
住宅ローンの金利は
頭金の割合によっても変わってきます。
頭金の割合によってのみで決定されるわけではないのですが、
頭金を2割以上入れると、
最も評価が高くなります。
他の基準は金融機関によって違うことが多いのですが、
この頭金2割というのは、
ほとんどの金融機関で共通している条件です。
最も分かりやすく金利を下げられる方法なのです。
家を買う前にしっかりと頭金を用意すると、
家を買った後の生活も楽にお得になるのです。
●住宅ローン保証料は一括払いと金利に上乗せ、どちらが得?
ネットバンク以外の金融機関が設定している事が多いのですが、
住宅ローン保証料というものがあります。
これは、
万が一住宅ローンの返済ができなくなった時に、
住宅ローンの肩代わりを保証会社にしてもらうために、
保証会社に支払うお金
です。
住宅ローンの手数料のような形になっていますが、
支払先や役割が違います。
火災保険と同じようなものです。
支払い方法には2種類あります。
①住宅ローン借り入れ時に一括で支払い
②住宅ローンの返済時に少しずつ支払い(金利上乗せ)
①住宅ローン借り入れ時に一括で支払い
の方が支払う総額は少なくて済みます。
多くの場合、
一括で支払うと借入金額の2%+消費税なのですが、
金利上乗せ方だと、0.1~0.3%金利が上がります。
借り入れ時に大きなお金が必要でなくなるのはメリットですが、
それ以上に毎月の支払いが多くなり、
総額でも支払額が増えるのは大きなデメリットです。
●住宅ローンに保証料って必要なの?
ところで、
この住宅ローンの保証料って必要なものなのでしょうか?
先に説明した通り、
住宅ローンの返済が滞った時に、
銀行が補償を受けるための費用です。
仮にあなたが返済が滞ってしまった場合、
銀行には保証会社から補償金が支払われ、
あなたは保証会社から取り立てを受ける事になります。
保証料を払ったからと言って、
もしもの時にあなたのローンがチャラになる!
という事ではないのでご注意を!!
そんな金融機関にしか意味のない保証料を、
我々が支払う意味があるのか?
と言われると返答に困るのですが、
住宅ローン借入の条件になっている以上、
支払わない訳にはいかない
というのが結論です。
●住宅ローン保証料なしって選べる?
ここまで読んで、
住宅ローン保証料って無駄だなぁ。
払いたくないなぁ
と思いませんでしたか?
そんな方には、
「住宅ローン保証料なし!」
と謳っている金融機関もあります。
主にネットバンク系に多いのですが、
何か落とし穴があるのでは無いでしょうか?
実は、
住宅ローン保証料が無い金融機関は、
ローン事務手数料が高いです!
通常、
住宅ローン事務手数料は多くの金融機関で
3万円+消費税
となっています。
一方で、
住宅ローン保証料なしとしている金融機関の場合は、
借入金額の2%+消費税
である場合が多いです。
この数字は住宅ローン保証料と同じですよね。
名前が変わっただけで、
支払う金額はそんなに変わらないのです!
●住宅ローンの保証料と事務手数料の違いは?
ところで、
この住宅ローンの保証料と事務手数料の違いは何なのでしょうか?
住宅ローン保証料は先に説明した通り、
火災保険に近い保険商品です。
直接的には銀行には利益はありません。
一方の住宅ローン事務手数料は、
住宅ローンを貸し出す為にかかる銀行の手数料です。
実際にどのような内訳になっているかは分かりませんが、
これが金融機関のもうけの部分になります。
住宅ローン保証料は、
借入期間によってかかるものなので、
繰り上げ返済や借り換えをして借入期間を短くすると、
返金があります。
住宅ローン事務手数料は、
一時的に銀行に支払うお金なので返金は無いです。
将来的に、
繰り上げ返済や借り換えを検討している人は、
住宅ローン保証料がある方が安く済む可能性があります!
●団体信用生命保険ってなんで無料なの?
基本的に住宅ローンを借り入れする時には、
団体信用生命保険に加入することになります。
この保険料は借入側は無料で、
金融機関が負担します。
住宅ローンを借りるとセットで生命保険も付いてきてラッキー
と思われるかもしれませんが、
真実はちょっと恐ろしいものです。
この団体信用生命保険というものは、
借入者が死亡した時に、
生命保険料が金融機関に支払われます。
ご家族ではなく、金融機関にです!
自分たちが貸したお金の回収に困らないようにかける保険なので、
金融機関が保険料を負担しているのです。
平たく言ってしまえば、
死亡しても生命保険で住宅ローンを返済せよ!
という事ですね。
もちろん、
亡くなった時にご家族に「家という資産」を残せる
というのは大きなメリットであるとも言えます。
●団体信用生命保険はフラット35でも加入する必要がある
少し前までは、
フラット35は団体信用生命保険の加入は任意でした。
フラット35で団体信用生命保険に加入すると、
その保険料は金利に上乗せされるので、
多くの人は団体信用生命保険に加入しませんでした。
しかし、
2017年10月1日以降の申し込みからは、
強制的に加入させられる事になりました。
ここで「義務」ではなく「強制的に加入」
と記載しているのには理由があります。
他の住宅ローンだと、
「団体信用生命保険料は金融機関の負担」
と明記されています。
一方でフラット35の場合は、
「金利に上乗せされています」
と明記されています。
実際に、
ARUHI住宅ローンのフラット35の金利推移を見ると
2017年10月からのフラット35の金利は、
団体信用生命保険なしより0.28%高くなりました。
おそらく、
この分が団体信用生命保険と思われます。
●団体信用生命保険のガン特約はお得なの?
団体信用生命保険には、
死亡保障の他にも特約が色々と用意されています。
中にはそれを大々的に宣伝して、
安心を大きなメリットとしてる金融機関もあります。
では、
実際にそういった特約は付けた方が良いのでしょうか?
結論から言うと、基本的に不要です!
と言うのは、
多くの場合、特約を付けると、
住宅ローンに0.1~0.3%程度金利が上乗せされてしまいます。
無料であるものは
付けた方が良いと思いますが、
住宅ローンの団体信用生命保険の特約は、
保険料が支払われる条件も厳しい事が多いので、
支払う保険料に見合わない事が多いです。
そもそも、保険自体があまり有効では無いのですが。
もし心配であるならば、
がんや休業補償だけで掛け捨ての安い保険に別途入る方が良いです。
●住宅ローンに組み込めるものって何?
時々、
諸費用だけでなく、
車・家具の購入費用、リフォーム費用などを
住宅ローンに組み込む事はできますか?
という質問を見かけることがあります。
やり方次第では出来なくは無いですが、
あまりオススメはしません。
やり方は簡単で、
頭金を少なく設定して住宅ローンの借入額を最大にする。
これだけです。
もちろん頭金を少なくすれば
その分住宅ローンの金利は高くなりますが、
それでも住宅ローンの金利は、
他のローン金利に比べて非常に安いのです。
その金利差が有利になるという考え方ですね。
頭金に回す分を他の物の購入費用に回せば、
安い金利で物を買ったのと同じ効果があります。
ただし、
私がオススメしない理由の一つに、
借入期間の長さがあります。
いくら金利が安いと言っても、
借入期間が長ければ、
その分支払う利息は多くなります。
フルローンに近い借入をして、
それを10~15年程度で返済する計画ならば、
有効かもしれません。
しかし、
わざわざ住宅ローンの審査を難しくする必要もなければ、
多額の借金をする必要もないし、
余計な金利を長期間に渡って支払う必要もありません。
あなたが心から
「この選択をして良かった」
と思える未来を迎えることを心から願っています。