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こんにちは、桐生(きりゅう)です。
中古マンションを探す時に、
築年数を検索条件にすると、、
2つのボリュームラインがあります。
築10年と築30年以上です。
これにはそれぞれ売りやすい理由があります。
今回は、
築10年と築30年のマンションに
それぞれフォーカスを当てて、
なぜ家主はこの時期に売りたいと思うのか
にお答えしていきたいと思います。
●築10年のマンションを売りたい理由
まず、
築10年前後のマンションはよく売りに出されます。
私も、中古マンションを検討していた時に、
見学に行ったマンションの8割は築10年前後でした。
その時に、
売ろうとしている人と
不動産仲介業者の
両者からお話を聞くことが出来ました。
売り主から聞いて一番多かった理由は、
最初から10年位で売るつもりだった
というものです。
かなり以外な事ですが、
最初から売るつもりでマンションを買う人がいる
という事です。
詳しく話を聞くと、
3つの理由があるようです。
①小学校入学
②大規模修繕工事
③資産価値の維持
一つずつ見ていきます。
①小学校入学
結婚後マンションを買い、
子どもができ、
小学校に上がる前位のタイミングで、
別の新居(多くの場合注文住宅でした)に引っ越す
という方が多かったです。
我が家もそうでしたが、
家を買うベストなタイミングの一つに、
子どもの小学校入学前というのがあります。
最初は快適で便利なマンションで夫婦で住み、
少し手狭になりそうなタイミングで、
広い家に引っ越すというのを
最初から計画しているのです。
②大規模修繕工事
マンションにとって10年目というのは、
とても重要な時期で、
多くのマンションは10~13年目位に大規模修繕工事をします。
その前に売ってしまいたいという場合と
その後に売って『しばらく大規模修繕は無いですよ』
というアピールをしたい場合の2つがあります。
どちらも、
大規模修繕後は、
修繕積立金が値上がりしやすい
というのが根底にあります。
③資産価値の維持
②の理由と連動するのですが、
マンションの資産価値は10年目の大規模修繕工事を境に、
大きく下がりだします。
つまり、
それまでになら、
マンションを高値で売りやすいという事になります。
もちろん状態や周辺環境の変化にもよりますが、
新築購入時の7~9割位の値段で売りに出される事が多いです。
中には、
新築購入時と同額又は少し値上げして売却される事もあるので、
売る側から見ると、
多少の値下げをしても構わないという余地も残しつつ、
とてもお得な条件が提示できます。
●築30年のマンションを売りたい理由
こちらは、
築10年くらいの物件に比べ、
非常に安く市場に出回ります。
当然と言えばそうなのですが、
古い物件は安いです。
私は見学の候補にいくつか上がっていたのですが、
日程の調整がつかなかった事と、
徐々にマンションから戸建てに興味がシフトしていった事が
重なり、実際に売却物件の見学はしていません。
しかし、築30年の分譲賃貸マンションに住んだ事があるので、
実情は分かります。
こちらも4つの理由が挙げられます。
①子どもの独立
②建物の老朽化
③資産価値の底値
④住む人間がいなくなる
こちらも一つずつ見ていきます。
①子どもの独立
築30年のマンションを新築時に買ったとすると、
お子さんも大きくなり、
社会人になっている家庭も多いです。
実際に築30年の分譲賃貸マンションに住んでいた時は、
高校生1人と、小学生2,3人、未就学児4人位(我が家の2人を含む)
位しか子どもを見ませんでした。
全部で70戸位のマンションでしたので、
ほとんどが子どものいない家庭だったのだろうと思います。
子どもが巣立った後で、
少し広くなった家を夫婦ふたりで見てみて、
もう狭い家でも良いかなと思うのは自然な事です。
②建物の老朽化
築30年になると、
大規模修繕を2,3回実行しています。
見た目は綺麗な事が多いです。
実際、私が住んでいた分譲賃貸マンションも
見た目は綺麗でした。
しかし、
本当に痛む給排水管や専有部分については、
見た目通りではないかもしれません。
専有部分については、
リフォームという手もありますが、
玄関ドアや窓、ベランダは共有部分になるので、
個人でリフォームをすることは出来ません。
そういった部分に不満が大きくなってきた場合、
手放す事を考えるかもしれません。
③資産価値の底値
築30年となると、
資産価値はほとんどなくなります。
そして、
住宅ローンもほぼ完済していると思われます。
住宅ローンが残っていれば、
残債を売却したお金で一括で返済する必要がありますが、
住宅ローンが残っていなければ、
売却したお金は手元に残ります。
極端な言い方をすれば、
いくらで売っても損はしない
状態になっているのです。
もちろん、
築年数が経っているからといっても、
住めないというわけでもなく、
価値がないなんて事はありません。
だからこそ、
税務的な資産価値に比べると、
売却時に付けられる市場価格は、
非常に高くなります。
④住む人間がいなくなる
①の理由にも関わる部分ではありますが、
築30年以上のマンションは、
住人の高齢化が進んでいます。
中には、
自立した生活が送れなくなったり、
亡くなられる方もいらっしゃるでしょう。
家を相続してくれる人がいれば良いのですが、
難しい事が多いようです。
そうなった時、
または、そうなる前に、
売りに出して少しでも、
売値を高くしたいという気持ちがあるのかもしれません。
●違いと共通点は何か?
築10年
と
築30年
の2つのパターンを見てきましたが、
築10年の場合は、
最初から計画的に売却を考えていた。
築30年の場合は、
売るつもりは無かったけど状況が変わった。
という違いを感じました。
この2つの時期の共通点はあるのでしょうか?
それは、大規模修繕です。
築10年の場合は、
第一回目の大規模修繕の前後です。
築30年の場合は、
多くの場合、当初に計画されている
2回目か3回目の大規模修繕の前後です。
それだけ大規模修繕というものが、
マンションにとって大きな事だという事です。
その大きなイベントを迎える前後で、
自分の状況を見つめ直すと、
「売却」という選択肢が出てくるようです。
●最後に
家を買うのに最初から売ることを考える人間がいるのか!?
私が、
中古マンションの見学をして、
売り主に話を聞いていてとても驚いた事です。
しかし、
今ならその重要性は分かります。
家にも「出口戦略」は必要だからです。
詳しくは別の記事で解説しますが、
家を家族を含む誰かにあげれば贈与税がかかりますし、
自分が亡くなった後に引き継ぐと相続税がかかります。
何も考えていないと、
残された人間に迷惑がかかってしまうのが、
不動産の隠れた怖い点です。
マンションに限らず、
家や土地を自分がいなくなった後にどうしたいか
これから買う家をどのタイミングでどう手放すのか
というのは、
家を買う前に考えておくべき事です。
あなたが心から
「この選択をして良かった」
と思える未来を迎えることを心から願っています。