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こんにちは、桐生(きりゅう)です。
最近は、
マイホームを頭金なしで購入出来ます!
という謳い文句を不動産広告で見ることが多くありますが、
これ本当に信じて大丈夫なのでしょうか?
確かに家を買う事自体は出来るかもしれません。
しかし、個人的には、
頭金なしで家を買うのは反対です。
たとえ買えたとしても、
買った後で大変だったり後悔したりというのが目に見えています。
最悪の場合、
いわゆる「住宅ローン破産」が待っています。
ここでは、
不動産広告がなぜ頭金なしでも大丈夫と謳うのか、
頭金なしで家を買うと何が起きる?
必要な頭金はどれ位なのか?
を見ていきます。
●なぜ頭金なしでも買えます!と表記する不動産広告が多いの?
これは、
世の中が不景気になり低金利が続く時代で金融機関が貸してくれる
というのが一番にあります。
不動産仲介業者は「家を売る」事が仕事ですし、
金融機関は「住宅ローンを貸して金利で儲ける」のが仕事です。
不動産仲介業者は1件でも多く家を売りたいし、
金融機関は少しで多くお金を貸したいのです。
金利が高かった時代は、
貸し出す金額が少なくても、
しっかりと金利で儲けが出ていました。
しかし、ここ数年は低金利が続いています。
少しでも多くの住宅ローンを貸し、
利息収入を増やそうと考えるのは当然です。
余談ですが、
このままの低金利が続くと、、
金融機関の儲けがなくなり、
経営そのものが厳しくなる場合もあります。
実際に、2017年末頃から
大手銀行の一部地域からの個人住宅ローン事業の撤退が
発表されています。
●頭金なしだと何が起きる?
新築の不動産は買った瞬間に価値が2割下がる
こう言われています。
これは、
不動産価格には、
仲介業者へのマージンや、
広告料なども含まれている為です。
頭金0で住宅ローンを借りた場合、
物件の市場価値<住宅ローン残高
という状態になってしまいます。
住んでいるのだから市場価値がどれ位でも構わない
そういう意見もあると思います。
しかし、
もし何かがあった場合に、家を売るとします。
そうした時に、
家を売ったお金で住宅ローンを返しきれず、
差額を一括で返済する必要があります。
それでも返しきれなかった場合、
その瞬間、あなたは債務超過となり、
最悪自己破産ということにもなりえます。
●頭金2割は必要!
それでは、
頭金は実際にどれだけ必要なのでしょうか?
私は、
物件価格の2割は最低必要
と考えています。
これには3つの理由があります。
①物件価値がローン残高を下回らない。
先程も説明しましたが、
新築物件は買った瞬間に2割価値が下がると言われています。
逆に言えば、2割以上の頭金を入れれば、
ローン残高が物件価値を上回る事は無いのです。
これは、
家を売るつもりが無ければ関係ない
という事でもありません。
それは次の説明で触れます。
②住宅ローンに通りやすくなる
金融機関の住宅ローン審査は簡単に言うと顧客の安全性を見ます。
つまりは、
貸したお金を返してもらえるかどうかを判断しているのです。
もちろん、規定通りに住宅ローンを返済出来れば良いのですが、
住宅ローンの返済が滞った時の事も住宅ローン審査では見られます。
住宅ローンの返済が滞った時、
金融機関が実行するのは、
家を売却し住宅ローンを回収することです。
その時に、
住宅ローン残高>家の売却額(市場価値)
であれば金融機関は損をしてしまいます。
住宅ローン審査が通るかどうかは総合的な判断ですが、
この部分に限れば間違いなくマイナス評価です。
出来れば貸したくないリスクが大きいお客であると言えます。
③住宅ローンの金利が安くなる
先程の話とも絡んできますが、
頭金が多いと金利の優遇幅が多くなり、
住宅ローンの実質金利が低くなります。
住宅ローンは、
店頭金利と言って基準となる金利があります。
変動金利では、2.475%(2018年8月現在)となっています。
そこから個人の属性を判断されて、
金利の優遇幅が決定されます。
頭金を2割以上入れると、
この部分の評価は最高となり、
金利の優遇幅が増えます。
どれ位増えるかは各金融機関次第です。
また、
住宅ローンの枠内では、
希望する金額の全額が融資可能と回答が出ない場合があります。
その場合、頭金や諸費用に該当する部分を、
別のローンにする場合があります。(諸費用ローン)
諸費用ローンは住宅ローンに比べ、金利が高いです。
リスクが高い人には金利を高くする
リスクが低い人には金利を安くする
これが金融機関がお金を貸す時の大原則です。
●最後に
家を買う事は、
簡単な気持ちでやってはいけません。
事前の準備が必ず必要です。
それにも関わらず、
甘い言葉をかけ、煽って、急かし、
何とか買わせようとする人もいます。
インターネットの世界でも、
「頭金は不要な時代」
「オーバーローンは当たり前」
一部でこのような論調もあります。
しかし、
このような話をする人はあなたを守ってくれません。
実際に選択し行動するのは、あなたですが、
家族や大切な人を守るのも、あなたです。
あなたが心から
「この選択をして良かった」
と思える未来を迎えることを心から願っています。